バッタ界の殿様:トノサマバッタについて
トノサマバッタという名前は虫が好きではない人でも、聞いたことがあるのではないでしょうか。トノサマバッタは日本の中では最も大きいバッタであるので、「トノサマ(殿様)」という名前が付けられました。トノサマバッタを見たことがある方には理解してもらえるでしょうが、トノサマバッタは他のバッタに比べて、体長が大きいだけでなく、体の厚みも結構あります。また、飛んだ時の飛距離がすごいです。当時、私が小学生だったころはトノサマバッタを追いかけまわしていましたが、捕まえ損ねて逃がしてしまうと、かなりの距離を飛んでしまうので、見失ってしまったり、かなりの距離を走ったりしていました。今回はトノサマバッタについて述べていきたいと思います。
画像引用元
http://GFDL, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=311494
トノサマバッタが他のバッタとは特に違う点
バッタで一番よく見かけるのはショウリョウバッタやイナゴだと思いますが、トノサマバッタがこれらのバッタと特に異なっているのは、まずその体の大きさです。ショウリョウバッタも体は大きいですが、トノサマバッタは体が大きいだけでなく、がっしりとしているのです。わかりやすく言えば、ひょろ長ではなく、身が引き締まっているといった感じでしょうか。
ちなみに体長は
トノサマバッタ♂ ⇒ 約45mm
♀ ⇒ 約65mm
ショウリョウバッタ♂ ⇒ 約50mm
♀ ⇒ 約75mm
上のように、体長だけを見ればショウリョウバッタとほとんど変わらないか、少し小さいように思えますが、体が分厚いので実際見ればかなり大きく感じます。
次の大きな特徴は飛距離の長さです。冒頭でも述べたようにトノサマバッタの脚力はすさまじく、かなりの距離を飛びます。実際は足だけでなく、翅も使うので足だけの力ではありませんが、私が見た限り20~40mほど飛びます。また、トノサマバッタを虫採り網で捕まえて、虫かごに入れるとき、網からトノサマバッタをつかみますが、その時、足でけられるとかなり痛いです。私も小学生のころよくトノサマバッタを捕まえていましたが足でけられると痛いです。ショウリョウバッタのキック力とは比になりません。
トノサマバッタの魅力
トノサマバッタの魅力といえば一番はやはりその見た目です。がっしりとした体で、絵に書いたような「The バッタ」の見た目をしています。目が大きいことも外見の魅力に関わってくると思います。目が大きくてくりんくりんしていますからね。ショウリョウバッタも魅力的な生き物ではありますが、トノサマバッタに比べると、体の割には目が小さいし、丸い目ではありませんので、見た目ではやはりトノサマバッタには勝てないなと思います。
次に魅力的なのはトノサマバッタはよく見かけるし、探せば見つけることができるということです。トノサマバッタは決して珍しいバッタではありません。河川敷の近くの草が茂っているところなどで見つけることができます。珍しい方がいいと思う方も多いでしょうが、身近に触れ合うことができるということも魅力的な点であると私は思います。
3つ目の魅力的な点は捕まえるのに多少苦労することです。つまり、簡単には捕まえることができないということです。トノサマバッタは一度捕まえ損ねると、追いかけるのが大変です。私は小学生のころトノサマバッタを追いかけて走り回っていました。その分捕まえた時の達成感は大きかったです。また、2つ目の魅力的な点で申し上げたようにトノサマバッタは決して珍しくはないので、逃がしてしまったとしても絶望することはありません。すなわち、何度でもチャンスはあります。
さらに、4つ目は交尾の様子がかわいらしいことです。これはすべてのバッタにも通ずるのですが、とりわけトノサマバッタがかわいらしいです。下の写真を見てください。下のがメスで、メスの上にのっているのがオスです。すごく仲睦まじい様子ですね。
画像引用元
http://GFDL, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=311589
トノサマバッタは大食い
トノサマバッタの顎(口)はバッタにしては大きく、草をあっという間に食べつくしてしまいます。実際、そのことが原因で農作物を食い尽くしてしまうこともあるらしいです。日本ではほとんどありませんが、海外では群れとなって農作物を食い尽くし食糧危機を引き起こすほどの被害になることもあります。でも、トノサマバッタがむしゃむしゃ草を食べている姿はかわいらしいですよ。
最後に
どうでしょうか。トノサマバッタに興味がなかった方も少しは興味をもったのではないでしょうか。もし、持ってくださったら幸いです。トノサマバッタは日本人ならば一度はじっくり観察してほしいです。じっくり観察すればするほどトノサマバッタの魅力がわかってくるでしょうし、いろいろな発見もするでしょう。ぜひ、一度トノサマバッタを観察してみてください。