あまり知られていない食虫植物-ミミカキグサ  その魅力に迫る!!

 

ミミカキグサはハエトリソウやウツボカズラに比べてあまりよく知られていない食虫植物ですが、とてもユニークで面白い食虫植物です!!!

なんと、ミミカキグサは根を使って小さな虫を捕まえるのです。

ミミカキグサの虫の捕らえ方、ユニークな点、面白い点について紹介していきます。

 

 

ミミカキグサとは

ミミカキグサはタヌキモの仲間で、湿原に生息していて、日本にも南の地方には生息している食虫植物です。ミミカキグサの名前の由来は花が咲いて散った後にできる、実とがくの形が耳かきのようであることが由来です。

ミミカキグサは地上に出ている部分だけを見ると、葉が生えているだけで地味に見えるかもしれません。しかし、ミミカキグサの特徴は冒頭で述べたように地中、つまり、根にあります!!

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根っこに注目!!!

随分、根が密集しているのがわかると思います。そして、目をよく凝らしてみてください。

根に小さなぶつぶつしたものがあるのがわかりますか?

拡大して見てみましょう。

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 根に小さいぶつぶつがあるのがわかると思います。この小さいぶつぶつがミミカキグサの一番の特徴です。この小さいぶつぶつで虫を捕らえるのです!!

この虫を捕らえる小さなつぶつぶのことを捕虫袋といいます。

 

 では、ミミカキグサはどのようにして捕虫袋で虫を捕まえるのか見ていきましょう。

 

ミミカキグサは捕虫袋の中に水が入っていて、捕虫袋の入り口には小さなとげがあります。そして、水が入っている空間の奥は真空になっています。

この捕虫袋に虫が近づいて入り口のとげに触れると、水が入っている空間と真空になっている空間を隔てていたドアのようなものが開き、圧力差によって虫は吸い込まれるのです。

すごくないですか?

圧力差という物理現象を生物が利用しているのですよ。誰からも教えてもらったわけではないにも関わらず、物理現象を利用できるように進化してきたんですね。

 

ミミカキグサの育て方

ミミカキグサは湿地に生息するといいましたが、育てる際は水に浸しておく必要はありません。ウツボカズラやハエトリソウ、モウセンゴケのようにミズゴケに植えれば問題ありません。

ただ、注意しておきたいのはミミカキグサは根が非常に発達しており、根がアイデンティティなので、植え替えの際、あまり根を引きちぎらないようにしてください。

しかし、もし仮に引きちぎってしまってもミミカキグサは生命力がかなり強いのでよっぽどのことでない限り枯れることはありませんので心配しなくて大丈夫です。実際、私が植え替えしたときもかなり引きちぎってしまいましたが、問題ありませんでした。ミミカキグサは今も元気です!

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植え替えた後のミミカキグサ

 

どうでしょうか。

ミミカキグサって面白い植物だなと思ってもらえると嬉しいです。もし、ミミカキグサのことが気に入ったのであれば育ててみてはいかがでしょうか。

 

食虫植物モウセンゴケ-植物界のコバエホイホイ

 

モウセンゴケは葉についてる甘い香りのするねばねばした液体で昆虫を捕らえる食虫植物です!!!

甘い香りに虫たちがおびき寄せられてしまうのでしょうね。

食虫植物と聞けばウツボカズラやハエトリソウなどを思いつく方が多いと思いますがモウセンゴケ非常に魅力的な食虫植物なので紹介していきたいと思います。

 

 

モウセンゴケとは

 モウセンゴケは葉についたねばねばした小さな液体で昆虫を捕らえ捕食する食虫植物です!!  

小さい!! と思うかもしれませんが、小さな昆虫やクモが一度このねばねばの液体に触れたら最後、自由に動くことはできなくなり、栄養分を吸収されてしまい死んでしまいます。

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モウセンゴケの葉ー雨粒みたいな小さな液体がたくさんついているのがわかると思います。

モウセンゴケは家の中に入れていると威力を発揮します!!

特にクワガタムシやカブトムシを育てていて、家の中にコバエが大量発生している人にはうれしいでしょう。

私もクワガタムシ、カブトムシを育てていて家の中にコバエが大量発生してしまっている家に住んでいます。

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上の写真に見える黒い物体はコバエやハエ、アリ、クモなどの小さな虫の残骸です。

たった一枚の葉っぱですらこんなにも多くの虫を捕らえているということがわかると思います。

モウセンゴケはいわば 植物界のコバエホイホイ なのです!!!!!!

 

 

モウセンゴケについてもう少し詳しく見ていきましょう!

 

モウセンゴケの葉は大きく分けて二種類あって、一つは私が育てている長い葉を持つタイプ。もう一つは丸い葉を持つタイプです。

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細長い葉を持つタイプ

 

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丸い葉を持つタイプ

引用元 

http://I, Petr Dlouhý, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2229813による



 

私が育てているのは細長い葉を持つタイプなので、細長い葉を持つタイプのモウセンゴケを中心に話していきます!!

 

モウセンゴケの葉は始めゼンマイのようにくるっと巻いています。この状態から徐々にゼンマイの形がほどけ、細長い葉へとなるのです。

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ゼンマイのように葉が巻いている

このとき、ねばねばの液体はまだ出ておらず、ねばねばの液体を先端に付けている棒のようなものも内側に折れている状態です。

「いやー、きれいに丸まってるな・・・」って改めて思います。

 

次は普段目に見えない部分、モウセンゴケの根を見てみましょう。

 根はほとんど発達しない。

 引用元 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%A6%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%82%B1

ウィキペディアには書いてありますが少なくとも家のモウセンゴケ は根が発達しています。

植え替えをする際に植木鉢からモウセンゴケを取り出すのですが、その時に見る根は発達しているように思えます。

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黒く見える部分がモウセンゴケ の根です。ひげ根ですね。結構長いです。

根が密集しているので根を傷つけないように植え替えるのがなかなか難しいです。

慣れれば大したことありませんが・・・

 

日本のモウセンゴケ

野生のモウセンゴケはなんと日本にも生息しています!!!

日本では尾瀬ケ原と北海道に生息しています。ナガバノモウセンゴケという種類で、名前から推測できるように細長い葉を持つタイプです。

 

しかし、水質汚染や湿地の開発などにより絶滅の危機に瀕しているようです。(絶滅危惧種Ⅱ類)

残念ですね。貴重な生物なのでこれから先もずっと野生で生き抜いてもらいたいものです。

 

 

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ウツボカズラの失敗しない増やし方、植え替え

 

ウツボカズラの増やし方

ウツボカズラってよくある一般的な植物のように花を咲かせて種を作って増やしていくというやり方は難しいんです!

なぜなら、ウツボカズラ花はなかなか咲かないうえに仮に花が咲いても自家受粉をしないからです。

自家受粉とは

同一の個体において受粉しても受精すること、またはそうした植物の性質を意味する語。

引用元 

https://www.weblio.jp/content/自家受粉

 

私はウツボカズラを買ってからもう8年になるのですが、これまで自分のウツボカズラの花は一度も咲いたことはありません。

人によっては3年とかで咲いた方もいるようですが…

私も一度でいいから自分のウツボカズラの花が咲くところを見てみたいものです。

 

自家受粉ができない点も種を作るのが難しい理由で、種を作るのならば雄花と雌花の二種類が必要なのです。つまり、少なくとも二つのウツボカズラが必要でかつその二つの性別が別々でなければならないんです。ホームセンターなどで買う時、花が咲いていれば雄花か雌花か見分けることができるかもしれませんが、ほとんどの場合、花は咲いていません!

ですから、種を作って増やすというやり方は困難なのです。

 

 

じゃあ、どうすんねん!

ってなりますが、簡単に増やすおすすめのやり方があります。 

それは株から株をとって増やすやり方です。

たぶん、これだけなら何を言っているのか意味がわからないと思うので実際に見ていきましょう。

ウツボカズラは成長するにつれて株が増えていきます。 

この株の部分を切り取って、増やしていくということです。

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上のようにウツボカズラは育てるにつれ、本体からニョキっと小さい株のようなものが出てきて、これを切り取ります。

ただ、私は切り取る株はある程度大きくなってから切り取っています。

そして、切り取った株はミズゴケに植えます。

これで終了です。

 

挿し木でやる方法もあるのですが、挿し木は結構難しくて私も何度か失敗しているのであまりおすすめはしません。ただ、株を切り取る増やし方はあまり多くウツボカズラを増やすのには適していないので、多く増やしたい方には挿し木のやり方の方がいいかもしれません。

 

 

ウツボカズラの植え替え

まず、はじめにミズゴケを水につけます。ミズゴケはコーナンなどのホームセンターに売ってますよ。

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水につける時間は30~60分ほどです。

 

そして、赤土を下にひきます。

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そして、ウツボカズラを入れ、ミズゴケを周りに入れていきます。

この時、ウツボカズラの根には植え替え前の土やミズゴケがくっついたままだと思いますが、そのままでOKです。根っこを痛めつけてはいけませんから・・・

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ミズゴケを周りに入れる前の様子。

根っこまわりのミズゴケは植え替え前のまま


ミズゴケ周りに入れ終えたら終了です!!

 

この日は六株のウツボカズラの植え替えをやりました。

無事植え替えが終了して良かったです!!

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世界の変わったウツボカズラたちー世界最大のウツボカズラ、変わった形のウツボカズラ

 

一番メジャーなウツボカズラとして有名なものはネペンテス・アラタですが、ここでは

世界の変わったウツボカズラについてみていきましょう!!

(一番メジャーなのがネペンテス・アラタだというのはただ、私や私の知り合いの多くが育てているからで他にも意見はあると思います。)

 

注意:このブログではウツボカズラの捕虫器のことを壺と表記しています。

 

 

世界最大のウツボカズラ

世界最大のウツボカズラは山岳に生息するネペンテス・アッテンボロギです。

 

アッテンボロギは人の名前からきているようです。

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画像引用元 Dr. Alastair Robinson - 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5906665による

見ての通り、めっちゃでかいです。大きすぎて重さに耐えられないからか、地面に壺が着いています。壺の容量は1.5リットルほどで、高さは約30~40cm,直径は約15~20cmほど。

ネズミほどの小動物ならば壺に入りそうですね。

 

そして、この壺にはなんとボウフラも発生します!!

消化液は二層に分かれていて、上の層ならばボウフラは解けないようです。また、上の層と下の層が混合することもないようなのでボウフラに害はありません。

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ボウフラが壺の中にいるのがわかると思います。

 引用元

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%82%AE

 

ここで残念なことをお伝えしておくとこのアッテンボロギは絶滅危惧種です。

絶滅危惧種とはいっても、そもそも山岳地帯に生息しているので元から非常に希少なのでしょう。

自分の目で見ることのできる機会が限りなく低そうです・・・

 

 

ツボウツボカズラ

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引用元 scott.zona - Flickr: Nepenthes ampullaria, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=31774022による

 

その名の通りまさに壺といったようなウツボカズラ

フタが開ききっています。こんなに壺が密集するもんなんですね。

       おもしろい!!! かわいい!!!

 

ネペンテス・アリストロキオイデス

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引用元  http://www.musekautas.lt/?p=5303

 

なんやこの形!!

すごく変わった形をしていますね。このウツボカズラも世界最大のウツボカズラであるアッテンボロギと同じで高山に生息していて絶滅危惧種です。

なんか、高山に生息している絶滅危惧種ウツボカズラは変わった形のものが多いんでしょうか...   勝手な偏見ですが...

 

ネペンテス・イネルミル

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 引用元 By Shawn Mayes, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11122020

 

ウツボカズラの唇が...ない

ウツボカズラの中で最もシンプルな壺なんじゃないかと思います。

なんか...魅了される形ですね。

 

 

 

世界にはすごく変わったウツボカズラがいるということがわかったと思います。

ウツボカズラに興味を持ってくれたらうれしいです!!

ちなみにネペンテス・イネルミルは日本でも買うことができます。もし、興味があれば育ててみてはいかがでしょうか。

 

以上世界の変わったウツボカズラでした。

一番魅力的な食虫植物はウツボカズラ!!魅力的な理由と育て方


一番魅力的な食虫植物はウツボカズラ!!魅力的な理由と育て方

 

 

 

ウツボカズラとはそもそも何?

 ウツボカズラは東南アジアを中心に生息している食虫植物です。

食虫植物とは何ぞやと思う人もいるでしょう。

食虫植物とは虫を食べる植物なんです!

ポケモンウツボットからウツボカズラを知った方も多いのではないでしょうか。

ウツボットウツボカズラがモデルです!

 

ウツボカズラの先祖は栄養の少ない土地で生息していたため自分でなんとかして栄養を摂取する必要がありました。そこで、ウツボカズラの先祖が生き抜くために生み出した術が昆虫を捕らえ栄養源にすることだったのです。ウツボカズラは壺を使って昆虫を捕らえ捕食します。

 

食虫植物にはハエトリソウ、モウセンゴケなど様々な種類の植物が存在しますが、育てるのならば、私が強くおすすめするのはウツボカズラです。

なぜなら、ウツボカズラ非常に魅力的な点が多く、かつ育てやすいからです。

 

 

ウツボカズラの魅力的な点

  1. ウツボカズラは成長していくにつれ壺の色が変わる!!
  2. 壺が形作られていく過程が面白い!!

 

ウツボカズラの成長過程は非常に面白くて種類によっては育てるにつれて壺の色が変わるものがあるんです!!(実際、私が育てているウツボカズラも色が変わりました)

 

さらに、色だけでなく壺が形作られていく過程もまた面白いです!!

 

 

壺の色が変わる

私がウツボカズラを買ったばかりのころ、ウツボカズラの壺は緑色で非常に小さかったです。しかし、次第に成長し大きくなっていくにつれウツボカズラに異変が...

壺が...壺が...

緑じゃなくて赤色になってる???

始め見た時は病気にでもかかったのかと思いました。しかし、それは違うようです。

どうやら、ウツボカズラは始め株が小さいうちは壺が緑色、株が大きくなれば赤色になるようです。

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株が小さくて壺が緑色のとき

 

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株が大きくなって壺が赤色になったとき(ふたはまだ開いていません)

 

 

壺が形作られていく過程

 

ウツボカズラの壺は植物でいうどこの部位かわかりますか?

 

正解は...なんと葉っぱなんです!!

ウツボカズラの壺は葉っぱが特殊に変形したものなんです!!

 

 

それでは、壺が作られていく様子を見ていきましょう!

 

まず、最初は葉の先にのびたツルのようなものの先が徐々に膨らんでいきます。

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これが膨らんでいき、徐々に壺の中に液体が入り始めます。そして、ふたが開いて完成です。

それでは、ここでクイズです。ウツボカズラの液体ってどんなものかわかりますか?

1.硫酸のように酸性が強いもの

2.水酸化ナトリウム水溶液のように塩基性(アルカリ性)が強いもの

3.水

 

さあ、どれでしょう??

正解は...   3.水   です

 

えっ? と思うでしょう。

 

実はウツボカズラに入っている液体は水です。ウツボカズラの消化液は獲物が壺に入った後に反応して酸性へと変わるのです。

つまり、極端なことをいえばウツボカズラの消化液は飲むことができます...

(飲みたくないですが...)

 

徐々に膨らんで完成していくのを毎日見ていくのは面白いです。

「あ、今日はきのうより壺がちょっと膨らんでる!」

といったように。

 

 

育てやすい

食虫植物は種類によって育てることが難しいものも多いです。

(例えば、ハエトリソウ。私は枯らしてしまいました...)

しかし、ウツボカズラ育てることが簡単です!!!

ウツボカズラにももちろん育てるのが難しい品種もありますがホームセンターなどで売っているウツボカズラの大半は育てることが容易です。

 

基本水をあげるだけですから...

 

え、昆虫とかあげなくてもいいの?

 

と思う方もいるでしょうが、あげる必要はありません!!

 

ウツボカズラはもともと栄養がないところに生息していますから栄養をあげる必要はないんです。昆虫は捕まえられたらラッキーぐらいで、必須ではありません。

ただし、注意しておきたいのは栄養をあげるのは構わないんですが

 

大量の栄養を与えるのは厳禁です!!

 

大量の栄養とは直接栄養剤や肥料を与えることをここでは指します。昆虫は別にいくら与えても構いません。

ウツボカズラは栄養のないところに生息している植物ですから栄養を与えすぎるとかえってウツボカズラにとっては悪影響です。場合によっては枯れてしまうこともあるとか...

 

 

そして、もう一つ注意しておきたいのがウツボカズラは寒さに弱いということです。生息地が東南アジアなど年中を通して暖かい地域なので、寒さに弱いんです。

ですので、寒くなってきたら家の中に入れなくてはなりません。しかし、家の中に入れるだけなのでそんなに苦痛ではないはずです。

 

 

 

どうでしたか。ウツボカズラの魅力が伝わったなら育ててみるのもいいんじゃないでしょうか。